第8話小夜の拒食と初めての強制給餌

小夜が御飯を食べない。
前回同様、ちと重い話。
小夜が御飯を食べなくなってそろそろ一週間、目の前にプラプラさせても顔を背ける、逃げる。
暫く、置き餌してみたら.....
無くなった、よっしゃぁ!
......て、おいいいっ!!
何で横の赤い奴がお腹ふくれてんだ?!!

このままでは、非常にマズイ気がする...。
例によって、検索検索。
大人の蛇なら1ヶ月は平気らしいが...子供は二週間がデッドラインらしい、もう少しで過ぎるぞ。
最悪、強制給餌しなくてはならん、ただし、タイミングとやり方次第で死亡率高し...か。
暫く様子を見て無理はしないでおくか。
そして10日経過、反応なし。
二週間、まだダメか。体力がギリギリまで衰弱してからは強制がトドメになる確率がはねあがるらしいし、博打打つような真似はしたくないが。
仕方ない、清水寺の舞台から身を投げるつもりで挑む。....ただ、この場合舞台に晒されてるのは俺の命ではなく小夜の命だという事実が最大の問題な訳で....。
指で首を抑えてピンセットで餌を顔の前へ、嫌がる嫌がる。
凄い力で頭を動かし逃げようとする。抑えつける力加減を間違えると強制以前に必殺仕事人の悪役みたいな結末になりそうだな。
もう一度頭の位置を抑えて口のはしに爪で隙間を開けてネズミをねじ込む。
ネズミの頭が半分位沈んだ時点で小夜の目が飛び出て来そうなほどに剥かれている。
凄くつらそうで可哀想だったけど、ここでまたやり直しなんてしたら、それこそリスクが高くなる。
なんとか全部口の中に入ったら自動的にお腹に降りていった。
一安心して抑えていた手を離すとグッタリして動かなくなっている。
背中に、いや全身に嫌な汗をかいて覗くとなんとか生きてはいるようで、ケースにそっと置くと自力でヨタヨタとシェルターに潜りこんでいった。
後ろからサーモンが心配そうに追いかける。
仕事に行く時間だ。いつになく行きたくねぇが、理由が蛇危篤じゃ休めねぇよなぁ。
サーモン、頼むよ面倒見てやっておくれ。
あとは帰って来た時に、まだ息があってかつ吐き出してなければ良いのだが....。
仕事中も仕事どころじゃない。
深夜2時、もう無理だ。仕事なんぞクソクラエ。
古より伝わる究極にして禁断の呪文を唱える時が来たか?
スダオは
「ポンポンイタイボクモウオウチカエル」
を唱えた。
....しかしなにも起こらなかった。


ヤキモキしながらなんとか仕事も終わり大急ぎで帰宅。
ケースを覗くとネズミは無し。吐いてはいないようだ。
シェルターを持ち上げる。ドキドキしているためか、アルコールがきれたのかてが震える。
あれ?
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なんか普通に寛いでんぞ。
弱いのか強いのか....取り敢えずは一安心か。
環境が拒食の原因としては大きいらしいのでこれからはハンドリングの回数を減らして、日中はケースに布を掛けよう。


....それから5日後。
サーモンも小夜もあげた御飯を普通にたべてくれて良かった良かった。
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ついでにサーモンは二回目の脱皮に成功。
記念に皮を取っとこうと思ったけど、中程に💩....我慢出来なかったんだね。
俺も、トイレに駆け込んでパンツ下げてる最中に括約筋が力尽きて....以下略な事になった思い出があるなあ。
ともあれ、うちの娘たちは今日も元気です。