5話サーモン来日

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目が覚め今日は再び名古屋行きの電車。
ああ、昨晩呑みすぎた...調子悪ぃ...残った酒とうだる暑さで道すがらえづきつつペットショップを目指す。
昨日より名古屋駅から近いペットショップで店員さんに声をかける。
2階へ案内され、店員さんがオートロックみたいなドアを開ける。
「スノー系は今居ないんです、今はアルビノストライプかそれ以外のスタンダードなのですね。」といって見せてくれた。
へぇ、アルビノストライプてのもあまり柄柄してなくて綺麗なんだ。
「そうですね、けどその子はかなり気性が荒くてなかなか触れないんですよ。」といってゴツい革手を出してきた。
.....おいおい..,こんなちっちゃいのを溶接でもするつもりか...
とりあえず、蓋を開けて手を伸ばすと、怒る怒る。小さい身体を目一杯使って最大限の敵意を表現している。
昨日のペットショップは小夜を含めてみんなおとなしかったからコーンスネークにもこんな荒いのが居るんだ、と少しビビったけど構わず手を伸ばす。
おおっ!?未来の横綱かというようなぶつかり稽古が開始...。ふはは、可愛いもんだ。ドーンと胸を、もとい指を貸してやろうではないか。
そのまま少し稽古してたら勝てないのが分かつたのか「うっす、稽古ごっつぁんでした。」とばかりに逃げ出したので捕まえた。
最初は興奮気味でにょろにょろしたけど、ものの数秒でいきなり落ち着いて寛ぎ出した。顔を近付けても鼻先をチロチロなめて怒るどころかビビる気配も無し、さっき迄はえらい剣幕だったのに....
ハッ!これが今流行りのツンデレか?!....にしても、前半のツンが酷すぎやしませんか?普通の男ならあの時点で逃げちまうよ。
とはいえ、式波アスカばりのツンデレにワンパンされたので連れて帰ることに。
うちに着くと携帯にスナックのママからメール。...ああ...そういや昨日、お気に入りの女の子に蛇見たい、連れて来てって言われたんだ。「いやいや、他のお客もいる公共の場に連れて来たらまずいだろう」て言ったら「明日平日なのに客なんかおれへんわ、ねぇママ」て言われて承諾したんだ。
あの人、美人で立ち居振舞いも女性らしいしけど時折ああいう男前なところを垣間見せるよなぁ。素敵だ。
とりあえず、今日来た子が元気だしピンク色だから女の子も少し抵抗和らぐかも。
すまない、なんか君をだしにしてるみたいで気は引けるが約束してしまったんだ。少しだけ付き合っておくれ。
お店に到着.....て、客いるじゃん!!!
暫くして客がはけて、座ってるカウンター席横に彼女がくる。見せて見せてと言われて袋からケースを出す。ボーイ君もビビり気味、うん、それが健全な反応だと思うよ。
彼女は可愛いなぁを連発して興味深そうにのぞきこんでいるが、次の瞬間耳を疑う一言。「触れる?触って大丈夫?」.....本気か?客へのお愛想で言ってるんなら、あんたプロの接客だよ。
まぁ大丈夫だと思うよ、つってケースから取りだしてハンドリングすると臆することなく手を伸ばしさらっていった...
あっけにとられるのを他所に私のやっていた真似でハンドリングを始める....
「なんか思ったのとさわり心地が違うね、もっとツルツルしてるかと思ったけど意外にしっとりした感じ」的確な実況レポートしながら続けている......マヂか?この人すげぇ....。
まあ、問題無さそうだしグラスの酒に口をつけながらボーとしてると、にわかに騒がしく...「あかんあかん」とか聞こえて横を見たら....
ユーロ空軍のエースパイロットも真っ青なピンポイント爆撃が彼女の手に....。
平謝りしながら蛇をケースしまう。
手を洗って帰って来た彼女にすまないと再度詫びると「可愛いから全然許す、可愛いなぁ。」と菩薩のような一言。
いいなぁ、蛇なら💩ひっかけても可愛がられるのか...俺がおんなじ事したら産まれてきて「すいませんでした!って言うまでしばきまわされそうだ。....それはそれで少し嬉しいかも...いかん、酒がまわってきたか。
「この子、もう名前ついてるの?」
そう聞かれて「まだ決めてねぇや。」と答えると「私がつけていい?」
まあ、いいんじゃないかな、スカト⭕プレイまでした仲なんだし。...女の子同士だけど。等と下品なことは言えず「いいよ。」とだけ答える。
暫く時間があいて「サーモン。」
「ピンクだから?」「うん。」
...一瞬躊躇したけど、案外ペットの名前ってのはそんくらいの方が良いのかも..俺みたく変に理屈付けるより外観や特徴に絡めて単純なほうが親しみ易いだろうし.....そう考えると(サーモン)悪くないな。
よし!今から君の名前はサーモンだ。
ちなみに、その日の帰り際お店に大きな(褐色の恋人)が現れ、蛇を平気で触っていた彼女が悲鳴を上げてビビっていた.....女の子ってややこしいね。